
よしむら農園 ファームレターv0l.12
土と創る.15 若狭コシヒカリ(米) (PDF版ダウンロードはこちらから)
日本の原風景が残る里山を次世代に。吉村義彦の楽しみ
美しい自然の循環と共生を願って
豊かな大地と清らかな水に恵まれた福井県は、古来より「越山若水」と呼ばれる食の宝庫。生き物を育む農法など、栽培方法に特色がある福井米は高い品質に定評がある。
その福井県のなかでも、若狭湾国定公園にあり、ラムサール条約に登録された「三方五湖」、全国名水百選「瓜割の滝」など、三十三間山をはじめとする山々を源とする豊富な水を誇る若狭町の相田集落に、よしむら農園はある。
吉村義彦さんは安心安全な食べ物を作りたいという願いから有機農業を始め、全圃場4ヘクタールでコシヒカリ、あきさかり、ミルキークイーンなど、有機JASの米栽培を実現。古代米や福井梅、野菜の栽培も手がけている。
福井県では今年、「いちほまれ」という新しい品種の米を作ることになり、よしむら農園は有機での試験栽培の認定を受けた。「日本一おいしいお米を全国の皆様にお届けします」と宣誓した掲示板を田んぼの前に掲げ、「全米史上最高ブランド」のいちほまれを、収穫に向けて大切に育んでいる。
二十歳頃の青年団活動時、義彦さんは青年団長、妻の春子さんは副団長だったという。
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美しい自然の循環と共生を願って
田んぼの生き物を守る

いきものいっぱいの田んぼの中で
子どもがはしゃぐ田舎のながめ
ぐるりとつながる自然といっしょに
人も、お米も、育っています。
若狭の空気も一緒に食べよう!
これがよしむら農園のコンセプトで、私の名刺にも印刷しています。田んぼの向こうに山や川が広がり、JR小浜線の1両電車が1時間に1本ほど通るのどかな田園風景はどこか懐かしく、自然を大切に農業を営めることに感謝しています。
国土の約7割を森林が占め、世界でも有数の緑豊かな日本。その環境に農村は貢献しています。水や空気を浄化する田んぼはダムの役割を果たし、多くの生き物の命を育みます。農薬や化学肥料、除草剤を使わなければ、川や海の生物も守られます。
合鴨農法や有機JAS栽培では、微生物やミミズ、ドジョウ、カエル、鳥など、たくさんの生き物が田んぼに集まり、自然の食物連鎖が行われます。ホタルが住めるこの集落の特性を利用し、多様な生き物や植物が循環と共生のなかで支え合えるような農業をすることに誇りを持っています。
有機農業はレベルが高いと思われがちですが、最もやりやすい農業ではないかと思います。一番大切なのは太陽です。太陽エネルギーと水と炭酸ガスがあれば、お米はできます。稲と相性の合う生き物の組み合わせを実現できれば、光合成という神秘的な働きを受け、稲がそれに応えてくれます。
田舎の恵みは、みんなの宝物

田舎の田んぼの恵みは我々農家だけの宝物ではないと考えているからです。 田舎に来ること自体が稲体験学習です。作業だけこだわらず、川にいるドジョウと遊んでも楽しみ経験して欲しいと思います。やんちゃな子もいますが、稲刈りの秋に収穫の喜びを分かち合えば、思い出が心に刻まれます。田植えや稲刈り作業後のお食事タイムでは、野の恵み山の恵み湖の恵みを少しずつ食べてもらえる、田舎の本当の良さを知ってもらえる。学校の先生だけでは伝えることも地元の子どもたちにきちんと伝えていけないのでいけないので、お呼びがかかれば私もできるように努力しています。家内も喜んでやらせて頂きます。野菜を給食の食材に提供しているので、家内が給食センターに野菜の説明をしに行くこともあります。
スローフードで食育の大切さを伝える
3歳か4歳の乳飲みの時気づかず田んぼの近くで子守をされ、農作業を手伝うというより田んぼで遊んでいました。うか。農協に在りながら平成10年に有機農業を始めました。 「楽しく農業を、田舎を見て遊び、料理し、美味しくいただき、楽しい仲間を増やす」、これが行動指針です。食事は人間にとって最も大切なもの。スローフード食育の大切さを決めて、食卓と生産フィールドを結ぶアクションを起こして決めました。
「身土不二」は人間の体と土地は切り離せない関係にあり、土地でとれた旬のものを食べるのが健康に良いという考え方です。地域の食材や料理方法、地産地消などを学ぶ食育はとても大切です。厚かましくても捨てられない程度に次世代に伝えていくのが私たちの時代の義務だと思います。
有機農業の仲間を増やしたい
